福岡の官公署

福岡でこんな手続きがしたいという時の官公署(行政機関)について解説します。

行政書士

福岡での行政手続き

例えば、住民票や戸籍謄本といえば、行政書士でなくとも馴染みのある書類です。わざわざ解説もいらないような気がします。ところが、いざ取得しようすると疑問が出たり、窓口まで行っても取得できずに帰ったりすることがあるものです。特に、行政書士が取得を「代行する」となると「事前に把握しておけばよかった」ということは意外とあり、窓口まで行って取得できなかった(仕事に手戻りが出た)では、プロとして恥ずかしい思いをするところでもあります。

例えば、次のようなQuestionに答えられますか?

  • 住民票を取得した窓口で戸籍謄本が取得できないことがある?
  • 本籍がわからないときは住民票を取得して調べる?
  • 福岡市中央区の市民課で福岡市南区の住民票が取れる?
  • 福岡市中央区の収税課で福岡市南区の納税証明書が取れる?
  • 福岡県税の納税証明書は福岡県内のどこの県税事務所でも取得できる?
  • 市税の納税証明書の取得にはマイナンバーは必要ない?
  • 県税の納税証明書の取得にはマイナンバーは必要である?
  • 年金の加入記録は全国どこの年金事務所でも取得できる?
  • 年金の加入記録は年金番号を知らないと代理取得できない?

(この記事を書いた時点での原則論ですが)答えは、全て「Yes」です。

上記はほんの一例ですが、いざ取得しようとするとうっかり無駄足になるというのは意外とあるものです。行政書士になり立ての失敗談ですが、「登記されていないことの証明書」を丸腰で取りに行ったため、出直しになったことがあります。ちなみに、登記されていないことの証明書は次のことを事前に把握しておかなければなりません。

  • 本籍…住民票等で確認しておく
  • どの証明を受けるか…成年被後見人or被保佐人or被補助人

挿絵

福岡市における行政窓口

次の証明書は、登録地が福岡市内であれば、市内のどの区役所でも交付を受けられます。

  • 住民票
  • 戸籍関係の書類(戸籍謄本、身分証明書)
  • 市税の納税証明書

例えば、福岡市中央区の住民票は南区役所の市民課でも取れますし、福岡市中央区の納税証明書は南区役所の収税課でも取得できます。逆に言うと、通常は管轄の市町村でしか証明を受けられませんので、那珂川町の住民票は原則、那珂川町でしか取れないことになっています。

なお、住民票の管轄と戸籍の管轄は同じとは限りませんので、住民票は住所地の那珂川町で取得し、戸籍謄本は本籍地の佐賀県唐津市へ請求するというようなことも一般的に起こり得ます。

挿絵

郵送請求

多くの証明書は郵送で取得することもできます。これにより、例えば、わざわざ遠隔地の窓口まで足を運ばなくて済むものです。ただし、この郵送請求には面倒な点があります。それは、支払いをどうするかということです。多くの証明書が収入印紙での支払いが可能なのに対し、市役所(区役所)等における郵送の支払いは「定額小為替」を使わなければなりません。

定額小為替は郵便局で購入できる点はとりわけ面倒ではありませんが、やっかいなのは、発行手数料がかかり、しかも、有効期限がある点です。それぞれだと思いますが、当事務所は本当に足を運べない遠隔地でない限り、窓口に出向いて取得するようにしています。定額小為替はその都度購入し、おつりの小為替が出ればその都度換金します。この発行手数料を「お客様に実費として負担させたろかな」と思いながらも、やっぱり事務所で負担しちゃいますよね(よその事務所は、シビアに取り扱っているかもしれませんが)。

ちなみに、定額小為替を購入した場合の経理は次のようになります。

「定額小為替1万円分 + 手数料400円 = 合計10,400円」を現金で支払った場合の仕訳

(購入時) 支払手数料 400円  現金 400円 ※1万円の仕訳は発生しません。

挿絵

休日でも利用できる窓口

さて、最近では、時間外でも利用できる出先機関窓口が各市町村にあります。福岡市には天神証明サービスコーナー(福岡市役所1階 情報プラザ内)博多駅証明サービスコーナー(博多駅博多口地下)があり、区役所で並ぶより比較的空いています。

我が町、那珂川町においても、博多南駅ビルに各種証明書取得コーナーがあります。ただし、「いつでも利用できる窓口」という認識でいると、実は「月曜日は休日」という意外な落とし穴もあるので注意です。

挿絵

黒のボールペンに注意

最後に、行政書士業においてお客様から委任状等にサインをいただく上で注意すべき点があります。それは、最近流行の「消せるボールペン」で書かないように伝えておくことです。消せるボールペンとは、見かけ上、消した文字が見えなくなるだけで、実際には文字は紙に残っています(いったん消えた文字も温度によって復活してしまいます)。このため、どこの窓口もNGです。また、消せるボールペンに限ったことではありませんが、「黒のボールペンでサインしてください」というだけの指示では、お客様はそれこそグレーなボールペンで書いてくるものです。風営法関係の許認可申請等、本人の自筆が求められるものもありますが、印字がOKな手続きなら、多少手間がかかってもパソコンで名前まで印字しておく(ボールペン作業をお客様にさせない)のが無難でしょう。

挿絵

4章目次