遺言相談についてのよくある質問を掲載します。
遺言についての質問
遺言は自筆と公正証書ではどう違いますか?
大きな違いは、自筆遺言には有効でない可能性がある点です。ただし、有効なものであれば、自筆でも公正証書でも効果に違いはありません(どちらも遺言としてきちんと使えます)。特徴をまとめると次の通りです。なお、公正証書遺言は、公証役場の耐火金庫にて原本が保管されるだけでなく、公証人連合会のデータベースに電子媒体としても保存されます。
自筆遺言
- 身近な文具で書ける(作成が安価である)
- 自分1人で書ける
- 自宅でも書ける
- 自筆しなければいけない
- 死後、無効(遺言として使えない)と判定されることがある
- 紛失・滅失などの危険がある
公正証書
- 公証役場で証人2名を立てて書く(作成が高価である)
- ワープロ打ちでOK
- 死後、無効(遺言として使えない)と判定されることがない
- 紛失・滅失などの危険がない
遺言に書いたことは必ず実現されますか?
実現されない場合もあります。 法定相続人には、遺留分という最低限度の遺産の取り分が保証されており、それを下回る遺言は撤回を請求することができるようになっているためです。 ただし、遺留分を侵害する遺言だからといってただちに無効となる訳ではありません。各法定相続人に異論がなければ撤回しなくてもかまいませんので、例えば、法定相続人が複数いる場合に「遺産の全てを妻に相続させる」という遺言を遺し、それが円満に使えるか争いの火種となるかは各ご家庭の事情によります。なお、遺留分以外にも遺言で実現できないことがありますので、個別のケースについてはご相談下さい。
誰でも遺言を作成できますか?
満15歳以上であれば遺言を作成することができます。なお、公証人の出張制度もあるため、寝たきりの方でも公証役場へ足を運ばず病室等で書くことも可能です。ただし、認知症である等、公証人との受答えが曖昧な方は作成できませんので、心身ともに健全なうちの作成をお勧めします。
証人とは何ですか?
公証役場へ同行して、公正証書遺言の作成に立ち会う者です。 債務の保証人のような危険な立場ではありませんが、遺言に目を通す重要な役割となります。 お身内の方を証人にした場合、遺言の内容が漏れたり、遺言に加担した者として他のお身内の方から非難される場合もあります。 有料となっても、守秘義務のある行政書士等を手配するのが一般的です。
遺言執行者とは何ですか?
執行者とは、遺言に書かれたことを実行に移す者のことを言います。例えば、預金口座の解約や不動産の名義変更など、遺言に書かれた指示について、銀行や法務局等に対して手続きを行う者です。これらの手続きは相続手続きと呼ばれ、一般的には行政書士や司法書士等が依頼を受けて行うことになりますので、遺言を書く段階でその依頼を予約しておくというようなこととイメージして下さい。