延命拒否・尊厳死のQ&A

尊厳死(延命拒否)宣言書の作成についてのよくある質問を掲載します。

尊厳死(延命拒否)についての質問

尊厳死は法律上認められていないのですか?

尊厳死は法律上認められていません。最も単純な理屈として、自らの意思で死を選ぶことは自殺にあたり、医師が医療行為を放棄することは他殺にあたるからです。しかし、多様化する人生観において、尊厳死は単なる自殺や他殺とは異なる性質であるということも尊重されているのも現状です。尊厳死とは、回復の見込みのない延命治療を拒否したい旨健康で健全な判断ができるうちに決定しておくことであり、これをいわゆる自殺と同一視することには違和感を覚えるところがあるはずです。また、このような本人の意思に基づく医師の措置についても、いわゆる他殺とは同一視しがたいものです。現在、尊厳死(延命拒否)の取扱いとして、一定の条件を満たせば実現されているのが実情です。 また、今後の法整備についても議論が進められています。

 

尊厳死には家族の同意が必要ですか?

尊厳死(延命拒否)には必ずしも家族の同意は必要ではありません。 ただし、意識のない本人に代わって医療行為の中断(尊厳死)の最終決断を下すのはご家族です。 当事務所は、重い決断の責任をご家族へ残すべきではないと考えており、ご家族の同意がない場合、宣言書の作成をお引受けしません。 また、ご家族の同意がない場合、主治医においても医療行為の中断に応じない可能性もあります。

 

家族の負担を考えて尊厳死を検討してもいいですか?

尊厳死の大前提は本人の尊厳において死を選ぶという点です。例えば、これは、延命措置による肉体的苦痛に私の体が耐えられない、弱った姿をさらし続けられる精神的苦痛に私の心が耐えられない、 家族に介護負担をかけることに私の心が耐えられないというような、自分自身の尊厳・人生観によるものです。

尊厳死は、私が長生きしない方が家族が助かるというようなうば捨て山のような考え方ではありません。 寝たきりになると金銭負担や介護負担はつきものであり、そこにおける自己犠牲が自分の心情によるもの自分の心情を押し殺した単に家族のためだけにするものかという線引きは難しいですが、ご自身にどんな姿になっても本当は1秒でも長く生きていたいという気持ちがあるのでしたら尊厳死を選ぶべきではありません。

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