常用工事・人工出し

建設業許可を取得するためには、申請において『建設業での経験』が争点になりますが、建設業における経験とは『請負工事』を差します。

常用工事の経験は、建設業許可を取得するための経験には算入されませんので、ご注意ください。

常用工事

「500万円以上の工事を『請負うために』建設業許可を取得したい」とお考えのように、建設業における工事とは『請負契約』による工事を指します。

では、請負工事ではない工事とは何かというと、それが、建設業界でよくある『常用工事』という契約形態です。

常用工事とは、いわゆる『人工出し(にんくだし)』とか『応援』と呼ばれるものです。

この契約形態は、例えば、発注元から「今日、現場に来られる作業員はいないか?」と聞かれ、「2人行かせます」という日雇い労働のようなものです。

工事一式を請負うのではなく、現場に人工出しする契約形態なので、似て非なるものです。

 

常用工事と許可申請

建設業許可申請では、御社の工事実績が問われます。

この疎明に対して、『請負契約』による契約書(または注文書や請求書)をもって疎明することになります。

疎明のために提出する契約書等が『常用工事』によるものであれば、福岡の建設業許可の審査では、『疎明資料として不可』という取扱いですので、ご注意ください。

『人工計算』されている契約書等は、疎明資料として使えません。

 

請負契約と業務委託契約

ここで、請負契約と常用工事がどのように異なるのかについて考えてみましょう。

契約法の考え方で、請負契約と業務委託契約は異なります。

ざっくり言うと、請負契約とは『成果・完成』を目的とする契約であり、一方、業務委託契約はそれを目的としない契約です。

例えば、メロンパンを100個販売するとして、請負契約であれば『100個の完売』を目的としており、業務委託契約は『(完売かどうかは問わず)9時~18時でレジに立って販売する』というようなイメージでしょう。

建設業においても、請負契約というのは、建物等の『成果・完成』を目的とする契約です。

一方、常用工事というのは業務委託契約に当たるものであり、『成果・完成』を目的とせず、『今日、現場に3人よこせ』というような契約関係になるでしょう。

この点から、常用工事(人工出し)での経験は、建設業許可申請における経験とはなりませんので、ご注意ください。

 

応用編ブログの目次