行政書士にとって、業務上、必要なテクニックがあります。
それは、作成する書類について、『控えを保管する』ということです。
提出書類の控え
まず、通常、役所に提出した書類は、閲覧させてもらうことはできません。
そうすると、提出した書類は、自分がどんな内容を書いて提出したのかはわからなくなります。
このため、申請書類を提出する場合は、『控え』として、同じものをもう1部作成しておきましょう。
なお、建設業許可申請のように、『控えの提出』を必須としている手続きもあります。
『正本1部、副本1部』などの指定があり、副本(控え)を持参しないと正本を受理してもらえないというケースもあります。
ちなみに、『控え』と『副本』は同じようなものです。
先日、放課後等デイサービスの指定申請のために、消防署で同時に2種類の届出を行いましたが、『防火対象物使用開始届』では「副本」、『消防用設備等特例適用申請』では「控え」と、消防署員の方が呼び分けていました。
気になる方は、定義をお調べいただきたいですが、呼び分けないと業務で困るようなことはありませんよ。
控えが必須でない場合
さて、『控えの提出』が必須でない場合でも、控えは作成し、提出窓口に持参するようにしましょう。
控えを持参すると、受理印を押してくれる窓口があるからです。
そういう窓口は、逆に、控えをしないと、受理の証拠がもらえないというシステムになっているので、注意してください。
受理印
受理印とは、「○月○日に確かに受理しました」という印です。
行政書士としては、「○月○日に確かに受理されました」という証拠になります。
これによって、役所には「受け取ってない」とは言わせませんし、お客様に対しても責任が果たせます。
なお、『今、許可の申請中』という証拠が必要になるケースは往々にあります。
建設業の下請会社が元請から求められたり、融資を受ける時に公庫から求められたりです。
その場合、『受領印のある控えのコピー』が必要になるでしょう。
受理の形式
ちなみに、受理印は、窓口によって、いわゆる『印(スタンプ)』を発行しない場合もあります。
『申請手数料の領収書』が受理の証しとなったりします。
郵送提出の場合
郵送で提出する場合も、『受領印をもらう』という考えは同じです。
封筒に次のように入れて提出すると、『受領印のある控え』の返信を受けることができます。
- 申請用紙を2枚(提出用・控え用)
- 自分の宛名を記した返信用封筒(切手添付)