会社合併と自動車手続き

会社Aが会社Bを吸収合併した場合、会社Bの資産において会社Aへと名義変更を行わなければならないものがいろいろと発生します。

例えば、普通自動車においても所有者の名義変更が必要です。ここで、その手続きについて、ブログで考察を載せたいと思います。

なお、ここでの最終的な話として、会社合併の登記が済む前済んだ後のどちらで普通自動車の名義変更を行った方がよいかということを考察します。

 

普通自動車の名義変更と車庫証明

譲渡と車庫証明

まず、会社の合併の前に、車庫証明などの基本的な考え方について説明します。太郎さんが花子さんに車を譲るような場合、名義変更には車庫証明書の添付が必要になります。これは、太郎さんと花子さんが別人であり、別の所有者となる花子さんの居住地において車庫が確保されているかが問題になるためです。

 

ナンバー変更

次に、上記とは異なる話について。もし太郎さんが「ナンバーを希望の番号にしたい」等の理由で、ナンバーを変更しようと思う場合について。太郎さんの居住地も変わるような場合を除き、ナンバープレートのみの変更であれば、ナンバー変更に車庫証明の添付は不要です。これは、現在(福岡xxあ9876)の登録の際に、現居住地において車庫を確保していることが証明済みであるためです。

なお、普通自動車においては、ナンバープレートの変更は、封印という手続きのため、運輸支局へ車を持ち込まなければなりませんので、この場合も当然、車の持ち込みが発生します。

 

譲渡と車庫証明

ちなみに、上記の譲渡のケースで車の持ち込みが必要になるかどうかについては、一概に言えないところがあります。一般的には、所有者の名義は変わるもののナンバープレート自体は変わらないので、運輸支局への車の持ち込みは不要です。ただし、太郎さんの居住地が福岡地区であり花子さんの居住地が北九州地区である場合などでは、ナンバープレート自体も変更が発生しますので(福岡ナンバーから北九州ナンバーへ)、その場合、北九州地区の運輸支局へ車を持ち込むことになります。

 

会社吸収合併と車庫証明

上記のケースを踏まえ、会社の吸収合併と普通自動車の手続きを考えます。なお、北九州の営業所は存続し稼働を続けるものとします。

 

会社合併と普通自動車

まず、所在地について。もともと北九州ナンバーの車を今後も北九州において使い続けるだけなので、通常、ナンバープレートは付け替えません。普通自動車の名義変更において、運輸支局への車の持ち込みは不要ということになります。北九州地区の運輸支局での書面手続きのみを行います。

 

次に、合併前は会社Aと会社Bは別法人ですが、合併後は同一法人となり、名義変更においては、ここがポイントとなるところです。つまり、合併前に名義変更をする場合、譲渡の手続きによるため車庫証明の手続きが発生し、逆に、合併後に名義変更を行う場合、本人の所有車において名義の書き換えを行うこととなるため車庫証明の手続きが不要になります。

当然、同一法人になったことを示す商業登記簿謄本等の添付書類は必要になるところですが、面倒な車庫証明手続きと1台2,750円の車庫証明手数料が不要になることを考えると、普通自動車の名義変更は会社合併の登記が済んでから行うのがよいと考えられます。