行政書士で開業する

労働環境の悪化などにより、今、世の中には安定した就職が選ばれる傾向があります。

資格に守られたイメージの『士業』の人気も増加傾向だそうです。

 

ただ、そんな行政書士に対しても、「合格したら本当に幸せになれるの…?」というのは、目指す方にとって一番の関心ごとではないでしょうか。

ここでは、私が福岡で行政書士事務所を開業した歩みをブログにしていきます。

合格すれば誰でもなれる

「合格すれば誰でもなれる!」

「弁護士みたいに、バッジをつけた国家資格者になれる!」

これが、私が行政書士を目指すにあたり、ときめいたポイントです。

 

前述の通り、私は『30歳での転職』のど真ん中でした。

今どき、30歳の転職には明るい材料はほとんどありません。

未経験で新しい業種に転換すること自体、苦難です。

そんな中、行政書士が『試験に合格さえすれば、誰でもなれる』と知ったときは「オレにもチャンスが!」と希望が湧きました。

しかも、試験のレベルも、どうやら私でも合格できそうな感じだったのです!

行政書士試験

さて、行政書士になるためには、試験に合格しなければなりません。

試験は年1回行われ、主なスケジュールは次の通りです。

  • 願書配布…7月
  • 出願締め切り…9月初旬
  • 試験…11月第2日曜日頃
  • 合格発表…1月末頃

福岡では『福岡工業大学(東区東和白)』が試験会場となるのが毎年の通例のようです。

※詳細は、行政書士試験研究センターのリンクでご確認下さい。

 

なお、下記のように、試験が免除されるケースもあります。

  • 弁護士や税理士資格を持っている
  • 公務員として長年勤務してきた

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なお、試験科目は、主に次の2分野から成ります。

  • 法令科目…憲法、民法、行政法、商法(会社法)
  • 一般科目…文章読解、法律に関わる時事問題(個人情報保護法等)

また、合否の判定は、次の2つを満たさなければなりません。

  • 合計点…上記2分野の合計が合格点以上
  • 足切り…いずれか一方がボーダーライン未満なら不合格

1年の独学で合格

私は、行政書士試験を、1年間の独学で合格しました。

それも、『合格率の低い2010年度に』です(笑)

 

いやらしい言い方をしましたが、別に自慢話ではないですよー。

客観的な難易として、行政書士試験は、『社会人ががむしゃらに勉強すれば1・2年で合格できる』というレベルだと思います。

一般的に、司法書士や税理士よりは簡単な試験です。

 

ただし、私は、「簡単な試験などない」と思っています。

というのも、受験者の多くは進路や夢を背負った社会人です。

社会人にとって、年に1回の試験というプレッシャーは言葉で表せるものではありません。

かくいう私も、仕事も辞め、彼女とも別れ、親にも心配をかけて挑む試験です。

『稀に見る猛暑』と言われた2010年の夏に、エアコンを切って勉強し、「来年は絶対にこんな地獄は経験しない」と言い聞かせ、メンタルで追い込みました。

2回もチャンスはないと思っていました。

 

みなさんも試験当日は緊張感でいっぱいだと思いますが、どうかベストを尽くして下さい!

プレッシャーはみんな一緒ですよ。

合格する方法

試験に合格した後に、「うちの予備校に来ませんか?」と、何度も勧誘の電話がありました。

「いやいや、合格しました」と断っても、信じてもらえず…。

「行政書士で開業しました」と言う日まで、何度もかかってきました。

 

さて、私は独学で試験に合格しましたが、さすがに『直前模試』というものは2つほど受けました。

予備校が開催しているやつです。

その結果がどちらも微妙だったので、「いやいや、お前が合格しているはずがない」と思って勧誘の電話をしてきたのでしょう。

いやいや、その私が合格しているのですよ!

 

ここで、行政書士試験合格のポイントは、『合格点を取ること』です!

当たり前のことですが、これは重要なことです。

つまり、『100点を目指すこと』ではないのです!

 

毎年、よく出題される問題には傾向があり、行政書士試験では、そこを押さえれば合格点は目指せます。

トリッキーな問題での減点に心が揺らぐこともあるかもしれませんが、100点を目指す必要はないのです。

私も、模試ではA判定ではありませんでしたが、普段の勉強でも、波がなく合格ラインをキープできるような感じだったと思います。

頻出問題を絶対に落とさないためには、問題集や過去問を何度もやり込んでください。

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合格後に待つもの

さて、試験合格後には何が待っているのでしょう。

それは、『個人事業主としての起業』です。

行政書士の資格は『独立開業型の資格』だからです。

後のページで述べますが、行政書士に合格して『就職』という選択はないと言っても過言ではありません。

 

つまり、開業するということは、廃業(うまくいかないこと)もあるということです。

100万円や200万円の貯金を空っぽにする未来もあります。

お金も失い、年齢も重ね、履歴書も汚れます。

廃業は、現在地に戻るどころか、今よりも厳しい就職活動が待っています。

これは、まったく大げさな表現でもありません。

「合格すれば幸せが待っている」と漠然と信じているのはとても危険なことです。

その未来が見えていない方は、そもそも勉強することさえお勧めしません。

人生を棒に振るかもしれませんよ!

 

ただし、独立開業という目的がはっきりしている方にとっては、行政書士はとても魅力的な資格です。

他士業の試験は、合格までに何年もかかるものばかりです。

また、開業のために、合格のみならず実務経験等を要するものもあります。

一方、行政書士は合格さえすれば絶対に開業できます!

 

ちなみにですが、個人事業主になると、支払い能力について、世間から『不安定』と評価されます。

例えば、賃貸で部屋を借りる場合や、住宅購入で住宅ローンを組む場合のハードルが、サラリーマンより厳しくなります。

簡単に言うと、あなたがサラリーマンだったら買えた家でも、事業主をしているばかりに買えないということがあるのです。

このあたりは、『人生設計』に関わることなので、どうでもいいようでどうでもよくないことかもしれません。

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行政書士の開業登録

さて、ここからは試験に合格した後の話をします。

 

まず、行政書士として働くには『日本行政書士会連合会への登録』が必要です。

これは、開業の場合だけでなく、行政書士としてどこかへ就職する場合も同様です。

「行政書士」と名乗るためには、登録が必要なのです。

 

また、登録では、併せて、都道府県の行政書士会への『入会』という手続きも行います。

私の場合、福岡県で開業するので、福岡県行政書士会に入会しました。

この入会手続きは都道府県で異なるため、開業のための合計費用は、都道府県によって異なります。

ただ、おおむね、次のとおりになるでしょう。

  • 登録・入会時の費用…30万円程度
  • 毎月の月額会費…7,500円程度

 

なお、行政書士の会費とは別に、『政治連盟の会費』という月額400円も必要となります。

もっとも、この支払いは任意です。

資格ガイド本によっては、節約のため『支払わないこと』を推奨してしているものも見かけました。

ただし、私は支払うべきお金だと思います。

というのも、行政書士は資格・職域という特権のお蔭で仕事ができています。

政治連盟の会費は、目に見えにくい費用ですが、そのような我々のバックグラウンド形成の財源となり、我々自身に恩恵を還す費用となるはずです。

行政書士会の集まりには全く顔を出さない私でもこう言っているのですから、払わない人はよっぽどだと思います。

 

さて、登録・入会手続きは、福岡県行政書士会へ申請書類、図面や各種添付書類を提出しました。

これこそが、行政書士が行う『許認可申請』のような手続きです。

これが面倒だと思うなら、行政書士をやめた方がいいです。

 

なお、行政書士登録手続きの提出期限は、月に2度あります(15日と月末)。

審査期間は正確に決まっていないようですが、概ね、1月半~2ヶ月後には開業となります。

正確な日程は、福岡県行政書士会でご確認いただきたいですが、スケジュール例は次の通りです。

  1. 例えば、提出を8日に行うと
  2. 審査開始は15日
  3. 審査
  4. 翌々月の1日または15日に入会式

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入会式

開業日に入会式が行われ、この日から行政書士として働けるようになります。

ただ、「えっ、今日から働けないの?」と私が感じた、『妙な間』があるのでお伝えしておきます。

1日でも早く働きたいという方は、何か対策を講じてくださいね。

 

というのも、正式に行政書士と認められるのがこの『入会式』です。

仮にですけど、登録が認められないこともあると考えれば、『行政書士』という文字の入るものの準備はこの日以降にするのが手堅いスケジュールになります。

例えば、『職印』の作成は、入会日以降となるでしょう。

職印がないということは、契約や領収にも支障をきたします。

また、職印がなければ、『職務上請求書』も購入できません。

なお、『行政書士損害賠償保険の加入』も、正式に事務所登録されてからでないと申込めません。

 

ちなみに、『行政書士として登録されました』という証書が届くのはもっと後日です。

証書は、別に無くて困るものではありませんが、「開業と同時に事務所に掲げられる」と思っている方にとっては拍子抜けする出来事でしょう。

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