遺産相続では相続関係説明図の作成が必要になりますが、その書き方には明確な正解がありません。このページの解説は、ひとつの例として参考にしていただければ幸いです。
一般的な相続関係説明図
例えば、次のようなケースでは下記のような相続関係説明図が見本となります。
- 被相続人:福岡A蔵
- 相続人:福岡B子、福岡C男、田中D子
- 福岡C男が、福岡A蔵が所有していた当該遺産の全てを相続する
解説
福岡B子、福岡C男、田中D子は、3人とも福岡A蔵の法定相続人です。しかし、相続関係説明図では全員に(相続人)とは書きません。(相続人)と記載するのは実際に遺産を相続する者だけであり、法定相続人であっても遺産を相続しない者については(分割)と書きます。
上記の場合、(相続人)と書くのは福岡C男です。もちろん、仮に遺産を相続する者がそれ以外にもいれば、福岡C男以外にも(相続人)と書くこととなります。
なお、これは基本形ですが、登記簿上の住所が死亡時の住所と異なる場合や二次相続の場合等、 書き方に工夫が必要なケースは多々あります。
二次相続における相続関係説明図
遺産相続を怠っているうちに、法定相続人までもが死亡してしまうと、相続関係が重複して発生します。これを二次相続と呼び、例えば、次のようなケースとなります。相続関係説明図の見本は下記の通りです。
- 被相続人:福岡A蔵
- 相続人:福岡C男、田中D子
- 福岡A蔵の相続手続きを怠っている間に、法定相続人である妻・福岡B子までもが亡くなった
- 福岡C男が、福岡A蔵が所有していた当該遺産の全てを相続する
解説
上記の、基本形の相続関係説明図と異なる点は、福岡B子を死亡と書く点です。タイミングとして相続手続きをしようと踏み切ったのが、福岡A蔵の相続を放っておき、福岡B子が死亡した時であったとしても、福岡A蔵の遺産については福岡A蔵が(被相続人)となります。また、権利上は、福岡A蔵が死亡した時点でその遺産の一部は福岡B子のものでもあるのですが、記載としては上記の通りでかまいません。
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