建設業 実績なしの許可継続

決算変更届等において、お持ちの建設業許可について当該年度で実績がない場合があります。特に、複数の業種をお持ちの場合、全業種で実績がないことは生じやすいものです。

例えば、建築一式工事と内装仕上げ工事の2つの許可をお持ちの会社で、当該年度で完成工事高の全てが建築一式工事というケースもあるでしょう。

建築・内装工事の経歴書

この場合、年度終了後の決算変更届等でそのまま届出てしまうと、使っていない(不要な)許可だとみなされてしまいます。その後の建設業許可の更新では内装工事業について取り消しを受けるおそれもあるでしょう。

そこで、工事経歴の報告では、「実績はないが許可を継続したい」という業種については、「理由書」というものを添付しなければなりません。内容としては次のようなものです。

現在、建設業の許可をいただいている業種中、内装工事につきまして今回工事実績がありませんが、今後さらに受注活動に努力いたしますので、何卒許可の継続をお願いいたします。

「当該年度において、なぜ実績がないのか」という理由が書かれていないので「理由書」というタイトルにはいささか疑問を覚えますが、一般的にこのような書式が使われているものと思われます(当事務所以外でも、このような書式を使っているのではないでしょうか)。

なお、当事務所が決算変更届を代行する中で、多いところでは16業種をお持ちの会社です。その内、実績があるのはたいてい1つのみ。本来であれば、実際に使っていない業種については許可を取り下げるのが望ましいところではあります。また、実績なしの工事経歴書を何枚も添付するのは、代行を引受ける行政書士としても、それをチェックする建築指導課としても無意味な作業です。お客様のおかれましても、業種が多すぎると建設業の金看板の作成において追加料金が発生してしまうなどのデメリットもあります。本当に不要な許可でしたら、見直しを検討するのもよいでしょう。

建設業許可決算変更届

⑤決算変更編