平成28年6月1日より解体工事業が追加され、これまで28業種であった建設業許可が29業種となります。
解体工事業とは
解体工事業とは、これまで『とび土工工事業』の許可区分において行ってきた解体工事が独立分離したものです。
ざっくり言えば、『斫り(はつり)』、『解体工事』等の工事です。
※各専門工事で改装の際に行う解体は、各工事業の許可で行います。
※元請として総合的な企画により解体するもの(ビル解体など)は、建築一式工事や土木一式工事の許可で行います。
経過措置
法改正後、下記の経過措置の期間があります。
許可に係る経過措置
平成31年5月末まで。
つまり、『とび土工の許可』をお持ちの方は、『解体工事の許可』をもっていなくても、平成31年5月末までは『とび土工の許可』で『解体工事の許可』を持っているのと同じことになります。
平成31年6月以降は、『とび土工の許可』だけしか持っていなければ、『解体工事の許可』を持っていないことになりますので、ご注意ください。
技術者に係る経過措置
平成33年5月末まで。
つまり、『とび土工の専任技術者にはなれるが、解体工事の専任技術者にはなれない』というAさんがいるとした場合、平成33年5月末まではAさんを専技にして解体工事業の許可が取れるが、平成33年6月以降はAさんを専技にして解体工事業の許可は取れないということになります。
なお、Aさんを専技にして解体工事業の許可が取った場合、平成33年5月末までに『解体工事業の専技になれる人』を別途手配しなければ、平成33年6月以降は違法状態となります。
経営管理者の要件
改正(平成28年6月1日)前の『とび土工』の経営経験は、『解体』の経営経験にカウントすることができます。
例えば、平成27年6月1日から平成28年5月31日の1年間に『とび土工(解体工事を含まない、純粋なとび土工工事)』の経営経験しかなくても、その1年を『解体』の経営経験1年間にカウントできます。
専任技術者の要件
まず、他の28業種を取得する場合と同じ精査(何の資格等を満たせばよいか)は、下記のダウンロード資料をご覧ください。
福岡県建築指導課の配布物
その上で、解体工事業の専技要件は、他の28業種と異なる取扱いがありますので、それを下記に解説します。
実務経験のパターン
まず、解体工事業は、他の28業種と同様『10年間の実務経験』で専技要件を満たせます。
そして、解体工事業は、それ以外にも、下記の『12年間の実務経験』というパターンでも専技要件を満たすことができます。
- 解体8年+土木一式4年
- 解体8年+建築一式4年
- 解体8年+とび土工4年
とび土工との重複
改正(平成28年6月1日)前の『とび土工』と『解体』の実務経験は、重複してカウントすることができます。
つまり、他の28工事業は建設業許可において2つの業種を実務経験で取得するにはそれぞれ10年(計20年)の実務経験が必要なところ、10年間に『とび土工の実務経験』と『解体工事業の実務経験』があれば、当該10年で両方の業種を取得できることとなっています。
参考編ブログの目次
- 建設業の関連手続き
- 電気工事業みなし登録
- 解体工事業の許可
- 建設業の事業承継