固定資産評価証明書

固定資産評価証明書について解説します。

行政書士

まず、行政書士が業務で取扱うポイントをあげます。

  • 固定資産評価証明書とは不動産の評価額が記載された書面です
  • 区役所の税務課等で取得します(税務署ではありません)
  • 土地+建物の場合も1件分(300円)で取得できます
  • 郵送の場合、支払い方法は定額小為替です
  • 行政書士の取得代行には委任状が必要です

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相続業務と固定資産評価証明書

固定資産評価証明書

さて、お客様からの相続相談はやはり不動産関係が多いものです。ここで、行政書士の相続業務のゴールはと言うと、それは「相続関係書類一式を司法書士へお渡しすること」と考えられそうです。ただし、それはあくまで実務上のゴールであり、理屈上(行政書士の職域として)のゴールがそうかというと微妙なところです。あくまで、行政書士のゴールは遺産分割協議書の作成であり、登記申請ではありません。そして、遺産分割協議書の作成に固定資産評価証明書が必須かというと微妙なところです。行政書士が固定資産評価証明書を取得する大義名分は何なのかというところは気になります。

固定資産評価証明書について、請求理由をあえて申告する必要もないですが、登記申請の添付書類だから請求すると認識しているのは行政書士としてはおかしなところかなと思います。仮に、交付窓口で「行政書士が登記のためですか?」とつっこまれた場合、交付を受ける理由を失い兼ねません。これは、戸籍謄本住民票においても同様ですが、行政書士としては登記申請の添付書類だから請求するのではないことは心得ておかなければなりません。

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交付請求で疑問になる点

固定資産評価証明書の請求

例えば、ご主人の不動産について相続相談を受けた場合、 評価証明書における固定資産の名義人は誰でしょうか。 登記簿上は、ご主人の不動産であっても、固定資産税の支払いなどは既に奥さん(などの相続人)が行っている場合があります。区役所に請求する書類について「法務局の登記簿上の名義人?」と疑問に思うかもしれませんが、実は、登記簿上の名義人で正解となります(この場合、ご主人が正解)。 不動産の登記申請に添付する書類になるので、「登記簿上の名義人と一致しなければ整合性が取れない」というところでもあります。

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委任状

上記、ご主人の不動産の評価証明書について、当然、亡くなったご主人からは委任状をもらえません。そうすると、委任状をもらえるのは妻(法定相続人等)からです。

ただし、役所の職員からすれば、妻が正当な請求人だと判別できなければなりません。このため、妻からの請求(委任状)にあたっては「妻が相続人だとわかる資料」の添付も必要となります。 相続人という身分を証明するために、通常、戸籍謄本(のコピー)を添付します。 固定資産評価証明書の請求手順としては、まずは被相続人の戸籍をそろえてからとなるでしょう。

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4章目次