行政書士開業で買うべきもの

これから行政書士事務所を開業なさる方は、「転送電話は導入すべき?」、「プリンタはA3対応がいい?」など、いろいろと迷われるでしょう。

ここでは、私が行政書士事務所を開業した体験で、「これは買わなくてよかった」「これは買ってよかった」というものをご紹介したいと思います。

はじめに

まず申上げたいのは、『開業と廃業は隣り合わせ』という厳しい現実があることです。

もしあなたが廃業することになった時、「あれもやっておけばよかった…」という後悔だけは残してはいけません。

なので、ここでの話は、あくまで『他人の経験談』として、参考程度に聞いてください。

無駄な出費を省く知恵として少しでもお役に立てば幸いです。

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結論

いきなり結論からお伝えしますが、何ごとも『必要になってから買え』というスタンスが、私が経験から得た答えです。

もちろん、手ぶらで開業していい訳ではないですが、迷った時に心に問うのは「今、必要か?」ということです。

 

ちなみに、開業してまず大きな選択となるのが、『行政書士は事務所を借りるべきか?』ということです。

これは、これだけで大きなテーマとなりますので、次ページにてブログにしています。

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パソコン

さて、行政書士の開業において、必須と思われる3大機器は、次のものです。

  1. パソコン
  2. プリンタ
  3. 電話

パソコンについては、「高価なものがよい」という方もおられますが、私は、安いもので十分だと思います。

中古だと時代遅れになるので、最低限、『新品』であれば、安いものでいいでしょう。

 

プロフィールにも記載していますが、私の前職はプログラマーです。

それでも、高価なものは求めません。

高価なパソコンというのは、『ブルーレイに対応している』など、余計な機能がついているために高いのであって、それらがついていなくても行政書士業務で困ることはありません。

 

ただ、パソコンを購入した場合、往々にして、『メモリ』というのが不足しています。

もともと100%のメモリが積める容量に対して、販売時に、50%とか25%とかしか積まずに売られていることも一般的だからです。

業務上、パソコンがサクサク動くのかどうかは、この『メモリ』によるところが大半です。

そこで、『メモリの増設』というのをすれば、パソコンがサクサク動くようになりますよ。

メモリはAmazonなどで安く購入できますし、増設は簡単(パソコンに差し込むだけ)です。

 

なお、業務で使うということを考えると、ウイルス対策ソフトはインストールすべきでしょう。

ウイルス対策ソフトの効果は『お守り程度』と言われることもありますが、ビジネスでは、インストールしておくのが『マナー』だと思います。

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プリンタ

プリンタは、A4サイズ対応で十分です。

『A3も印刷できれば便利』というのはもちろんですが、開業間もない行政書士にとって必要かと言われれば微妙です。

株主総会議事録など、『会社設立業務』がどんどん入ってくる予定がある方はA3対応がいいですが、「会社設立業務がしたいな」程度の目測でしたら、節約しましょう。

そういう方でも、いざ開業すると、意外と『会社設立以外の業務ばかりやっている』というのが、行政書士あるあるです。

 

なお、行政書士業務としてA3の頻度と言えば、福岡県での建設業許可です。

福岡では『建設業許可申請書の表紙はA3の厚紙が望ましい』とされており、建設業許可申請は行政書士としてポピュラーな業務なので、A3印刷できれば便利とは思われます。

逆に、A3印刷ができないと、ちょっと面倒です。

『厚紙のA3にコピーする』というミッションを、どうやってクリアしますか?

コンビニ等のコピー機に自前の厚紙を持ち込むことはできませんよ。

 

ただ、そこで私もA3対応プリンタの購入を検討したことがありますが、今のところ購入には至っていません。

A3プリンタがでかくて邪魔なことはさることながら、A3のプリンタを買えばA3用紙の在庫もかかえなければならないのです。

狭い事務所に、それはちょっと御免でした。

 

幸い、私の場合、ごく近所に印刷屋さんがあり、A3印刷が頼めます。

つまり、A3プリンタは買わないまでも、『いざという時には、あの店に持ち込もう』という想定は、頭の中で準備しておいた方がいいと思いますよ。

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電話とFAX

開業時の電話として必須なのは、次のものです。

  • 携帯電話
  • 固定電話(FAX兼用の1回線でOK)

携帯電話は、普段お使いのものでよいでしょう。

また、今のご時世、使用するのはもっぱら携帯電話です。

お客様とのやり取りのほとんどが携帯電話です。

なお、携帯電話は、『話し放題』のプランがいいでしょう(そんなに高くないですし)。

 

次に、固定電話について。

固定電話がないと行政書士登録ができないということはありませんが、固定電話の番号は持っておくべきでしょう。

『携帯電話のみ』というのは、ビジネス上、『行政書士事務所としての信頼』に欠けるでしょう。

それと、細かいですが、固定電話はコードレスの方が仕事上、使いやすいと思います。

 

さて、開業当初、固定電話は、『FAX兼用の1回線』で十分だと思います。

FAX専用の番号導入は、実際にFAXの使用頻度が増えてからでも間に合います。

さらに、ちょっと思い切ったことを言えば、『転送電話』も不要です。

というのも、お客様は、固定電話がつながらなければ携帯にかけてくれます。

携帯にかけ直さない方は、だいたいセールスです。

もうひとつ言うなら、固定電話にかけた時の留守電は、機会音声でなく、あなたの声で吹き込んでおきましょう。

『転送になった挙句、携帯の着信をスルーする』という事態になるくらいなら、『固定電話にかけて、あなたの声で応対する』という方が信頼を保てると思います。

 

ちなみに、『FAX兼用の1回線』で転送電話を使うとろくなことはありません。

『FAXがケータイに転送される』という珍事が起こります。

携帯に「ピー、ピロロロロ~」とFAX音が鳴り、もちろん受信はできません。

これでは送信者側にも迷惑をかけます。

 

まとめると、固定電話は、次のいずれかで選ぶのがよいでしょう。

  1. 転送電話を導入しない⇒FAX兼用1回線でよい
  2. 転送電話を導入する⇒電話・FAX別回線がよい

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e-FAX

電話とFAXを別回線にしたい(2つの番号を持ちたい)という場合のプチ情報ですが、電話とFAXを別回線するためには、電話線がささっている『モデム』という機械がもう1台必要になったりします。

また、モデムが2台になると、モデム同士をつなぐ『ルーター』という機器も必要になります。

これは、場所もとるし、お金もかかります。

 

そこで、FAX番号の導入には、『e-Fax』というものがオススメです。

 

 

『e-Fax』とは、電話機(FAXの実機)ではなく、パソコンやネット等を使ってFAXを送受信する有料サービスです。

 

ちなみに、私が行政書士事務所を開業した平成23年は、ネットFAXのサービスはイマイチでした。

馴染みのない『020』から始まる番号だったり、送受信できる番号が限られていたり…。

一方、現在の『e-Fax』はオススメです!

番号は、福岡の市外局番『092』も選べますし、送受信の番号が制限されていることもありません。

料金も月額1,200円くらいです(確か、1年目だけはもう少し割引だったと思います)。

 

月額1,200円が安いと感じるかは人それぞれだと思いますが、私は、FAXの月額1,200円は、実機と比較しても決して高くないと思います。

私の経験上、FAXの実機は壊れやすく、1、2年で送信か受信かのいずれかの機能にほころびが生じます。

また、FAXの実機は、インク代もばかになりません。

私はこれまでに、FAXの実機で『もとを取った』と感じたことがなく、ネット型のものを使い始めて何年も経ちますが、後悔はありません。

外出先でも、スマホがあれば送受信できるので、実機以上の価値がありますよ。

ただ、送信の場合、用紙をいちいちプリンタでスキャンしなければならないので、ちょっと面倒です。

 

ちなみに、掲載するとセールスFAXが増えるので、当サイト上には、当事務所のFAX番号は掲載していませんよ。

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名刺

名刺は、ラクスルなど、ネット注文するのがオススメです!

カラーで、プロの仕上がりです。

100枚が送料込の700円くらいで買えます。

ちなみに、家電量販店等に『自分のプリンタで印刷できる用紙』も販売されていますが、品質・値段ともに、完全にネット印刷に軍配があがります。

ただし、上記の値段は、『納期を急がなければ』という条件がつくので、節約のためには、早めに注文しましょう。

名刺

印鑑

さて、逆に、「お金をかけてよかった」と思うものは、『認印と印鑑ケース』です。

認印は、人前で出す機会が多いです。

開業して間もない頃は、新人行政書士として一人で小さくなってしまうものですが、認印が立派だと自信が湧くものです。

 

例えば、行政書士業務では、警察署へ行くことがあります。

車庫証明の交通課くらいなら笑顔で対応してもらえますが、『風俗関係』で生活安全課で手続きしようとすると、警察の方は威圧感はそれなりです。

繁華街である中洲管轄の博多警察署なんかは、日々、犯罪と隣り合わせなので、空気、ピリついています。

別に、行政書士を攻撃してくる訳ではありませんが、圧倒され、委縮してしまうものです。

許可がおりた暁には印鑑を押しますが、その時、100円の三文判使うよりは、きれいなケースから取り出したきれいな印鑑で押印する方が、行政書士として自信がわくと思います。

心の中で、「どやさ~!」です。

 

なお、『職印』は、形的に、普通の木製のものでも立派に感じると思います。

持ち歩くことが多いので、職員の印鑑ケースは写真の右のようなスリムなものがオススメです。

左のは、ハッキリ言って、ゴミになっています。

印鑑

業務ソフト

顧客情報を管理するとき、どんなソフトを使ったらいいのでしょう。

他士業では、『業務ソフト』なるものがあり、割と高額を支払って導入するのが一般的のようです。

行政書士においても、おそらく同様の業務ソフトがあるのではないでしょうか。

 

ただ、行政書士は、『業務範囲が限りなく広い』という特殊な士業です。

つまり、『これを導入すれば万事がOK』というソフトは行政書士業ではありえないと考えられます。

仮に、行政書士向けのソフトがあるとして、なかなか、導入するメリットを感じられないのではないでしょうか。

そこで、多くの行政書士が、エクセルなどで事務作業しているとは思いますが、エクセルだけでは機能が足りない部分が出てきます。

そこで、宛名シールや、それこそ建設業系のフリーのソフトを導入したりすると思いますが、ここでも問題が出てきます。

それは、ソフト毎に、顧客データを作成しなければならない点です。

こうなると、顧客の最新データがどれなのかがわからなくなってしまいます。

 

そこで、元プログラマーの経験を使って、私が自らソフトを作成しました。

まだ、宛名機能くらいしかありませんが、最新の顧客情報を管理するのには使いやすいと思います。

何せ時間がないので機能が足りていませんが、最低でも、『事件簿』くらいまでは作成できるような機能を追加していきたいですね。

可能ならば、ゆくゆくは『建設業』や『宅建業』くらいには対応したいです。

サンプル版は無料で使えますので、ご自由にダウンロードしてください。

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