今回のブログは、福岡県での建設業許可申請における営業所調査についてです。
営業所調査というと、一般的には、建設業許可において申請書類ほどシビアにとらえられませんが、それでも、重要なものであることに間違いはありません。調査項目については、それなりに気を引き締めて臨まなければなりません。
下図は、福岡県土整備事務所でもらう建設業の営業所調査の案内です。建設業許可申請書を提出するともらえます。ちなみに、このブログを書いている時点の事情ですが、福岡県土では下図の「新規」という用紙をもらいますが、那珂県土等の他の土木事務所だと「新規・業種追加」という用紙をもらいます。内容に大差はないですが後者の方が少し詳細に書かれています。(ちなみに、北九州だと印刷のサイズが半分に縮小されています。内容は同一ですが。)
さて、営業証調査では、当然、この案内にある項目について準備しなければなりません。内容をざっくり言うと、次のような書類です(私なりの妙な分類方法ですが…)。
①すぐに準備できるもの
- 運転免許証
- 健康保険証
②既に準備したことがあるもの(建設業許可申請で提出したものを改めて確認されます)
- 注文書、請求書、確定申告書
- 資格証の原本
③営業所調査において、新たに必要となるもの
- 営業所の使用権限を示す書類(不動産の納税通知書や賃貸借契約書)
- 出勤簿
- 賃金台帳
つまり、ざっくり言うと、営業所調査のために新たに手元に準備すべき書類というのは③の書類です。①、②の書類は、建設業許可申請が営業所調査まで進んだ段階で、自ずとそろっているものだからです。
ここで、一歩踏み込んでおきたいものが賃貸借契約書です。建設業の営業所が賃貸物件の場合、賃貸借契約書によってその使用権限を示すことになります。ここで、建設業の場合、自宅の一室を営業所として使用しているケースというのは多いものです。法人として事業を行っているのであれば、「自宅の名義は個人」「使用者は法人」となり、「建設業を行う当該法人にその物件の使用権限がある」とは完全には示すことができません。法人に対し、何らかの使用権限を示す書類を整備しなければなりません。
また、建設業許可の営業所調査で賃貸借契約書を整備するにあたっては、次のような項目を明らかにしておきましょう。これらの項目がない契約書ではNGということではありませんが、調査においてこれらの聞き取りを受けるので、書面があると話が早いです。逆に言うと、これらの項目があやふやだと、営業所調査に時間を要することになります。
- 建物・屋根の構造
- 建設業の営業所として使用する部分の面積
- 建物の使用料
- トイレ・空調の有無
なお、この他にも、次のような、現状を目視等で確認されます。
- 固定電話・FAXがあること
さて、自宅の一室を建設業の営業所としている場合、最近、調査が厳しくなっています。具体的には、次のようなポイントを押さえていないと建設業の許可はおりません。
- 玄関から直接営業所に入れること(他の部屋をまたぐのは×)
- 営業所として使用する場所と生活空間が混合していないこと(台所と続き部屋等は×)
その他、通勤に距離がある場合、車検証や定期券のコピー等も必要す。これらの書類は、「本当に通勤できているの?」という建設業許可における常勤性の確認となりますが、「通常、通勤できると考えられる距離」の場合はわざわざ確認されることはありません。その距離が何kmかというのは明確なところはありませんが、常勤性に疑義がなければ、通常、確認されません。
③その他書類編
- 建設業許可の雇用保険加入証明(前ページ)
④トピック編
- 営業所調査(current)
- 建設業の許可票(次ページ)
- 建設業許可と事業承継
- 主たる営業所の変更